[鉄道 運転] 関東鉄道で気動車の運転体験に行ってきました。(2)初級編
関東鉄道(茨城県)の気動車運転体験に参加するため、水海道車両基地にやってきました。
関東鉄道は2006年(平成18年)から10年間も気動車運転体験を実施しており、関東近県では運転体験ができる数少ない鉄道事業者の1つです。
今回、気動車運転体験の初級編に参加することが出来ましたのでレポートします。
関東鉄道の運転体験の予約方法などについては、下記の記事で紹介しています。
[関連記事] 関東鉄道で気動車の運転体験に行ってきました。(1) 予約編
関東鉄道 気動車運転体験(初級編)の体験に水海道車両基地へ
この日は2016年11月27日、やや天候の具合があやしく、夕方に雨という予報が出ていました。
そんな中ですが、普段は関係者以外の入場はできない車両基地に入れるとあって、天気とは反対に自分のテンションだけは上がり気味です。
会場の水海道車両基地は隣接する駅がないため、車両基地まで車でアクセスし、車両基地内の来場者向け駐車場に停めました。参加者向けの駐車場は10台分が用意されています。
◆関東鉄道 常総線 水海道駅から
1.タクシー約5分(1,000円前後)
2.徒歩約25分
3.駅でレンタル自転車(無料)で約10分
◆車で
1.常磐自動車道 谷和原IC から約4.3km/約7分
10時00分、集合場所の総合事務所の食堂にやってきました。当日行われる初級編は定員24名。(この日は26名で実施) 学生っぽい方から、女性の方、60前後の方まで鉄道ファンというベースは同じでもいろんな方が参加しています。
10時15分、事前講習の行われる会議室に移動します。
会議室の机の上には、運転体験のマニュアル、京成グループのノベルティのノート、沿線ガイドなど一式が準備されていました。この時は11月下旬だったので、クリスマスのビール列車のチラシも入っていました。酔いが回りそうですね。
10時15分 点呼(受付)・適性検査
10時30分 事前講習
11時20分 休憩
11時25分 体験運転(キハ2400形)
12時40分 昼食
13時15分 事前講習
13時40分 空気ブレーキ装置練習(実車)
14時10分 体験運転(キハ0形)
15時30分 終了点呼
15時45分 解散
午前・運転体験 キハ2400形気動車編
点呼(受付)と適性検査が行われた後、午前中の事前講習「キハ2400形」編の受講です。
キハ2400形は2004年から導入が開始された両運転台の車両で、電気指令式ブレーキを装備しています。本日の運転体験で使用する車両としては「新しい方」になります。
ブレーキの仕組みとか手順とか軽く流して説明されただけで、さっそく実車での体験運転にうつります。ええっもう?って感じましたが、そこはもう触って慣れるのが一番です。
さて、実車にやってまいりました。
午前の体験運転で使用するキハ2400形気動車「体験運転号」です。
当日の参加者は2つのグループに分かれて行動します。往路でAグループの1名が運転するとき、Bグループの1名が車掌を務め、復路はその反対、さっき運転士だったAグループの1名が車掌を務め、車掌だったBグループの1名が運転をするという形です。これを12往復繰り返します。
いきなり実地です。各グループには指導運転士が添乗して操作手順を細かく説明してくれます。
まずは車掌を体験しました。
前方の運転士が運転台切り替えスイッチの操作後、ブザーで合図を送りあい、ドア開けをします。
出発信号が緑色に変わったことを確認して「出発進行」、そしてドア閉め。動き出す列車の安全確認が終了したら、車内アナウンスを行うまでが体験内容です。
運転体験に申し込むとき、「150mの移動距離って短いなぁ」と思ってたんですが、実際に乗車してみるとそうでもない。車内から眺める150mって結構長く感じます。
車掌体験がおわり、折り返しは運転士になります。
この写真は復路側の出発地点。ここから車庫の手前まで進みます。
車両の反対側では車掌役がドア開け、ドア閉めを行います。
「戸閉よし」「出発進行、発車!」
恥ずかしさよりも、緊張してなかなか声が出ませんでした。
これが停止位置票です。ここを目標に停車するのですが、電気指令式ブレーキは、ブレーキレバー操作からのブレーキの反応が早く、手前に止まってしまう人が多かったようです。
指導運転士さんには聞きそびれましたが、どのくらいの減速感と位置感覚でピタッと止められるのか、わからず仕舞いでした。
そして昼食です。
午前中の運転体験が終わり、会議室に戻ると、お弁当が準備されていました。
昼食後に若干の自由時間があるので、車両基地構内で写真撮影を行えます。(指定エリア内のみ)
気動車運転体験のスタンプカードの仕組み
運転体験に参加すると「気動車体験運転 記念証明書」がもらえ、裏面はスタンプカードになっています。
そのスタンプの押印でステップアップする仕組みになっていて、初級編では1個、中級編では2個押印してくれます。
スタンプが8個で「主任運転士」に昇格、15個で「指導運転士」に昇格&関鉄オリジナル記念品のプレゼント、45個で「準スタッフ」に昇格&関鉄オリジナルポロシャツ(NASA仕様)のプレゼント。
「準スタッフ」以上は、参加すると日当(お菓子?)が出る日があるそうです。
そしてスタンプ60個で運転体験の中で最高クラス「師範代」に昇格します。
「師範代」になるには、初級編で2個(参加2回分)、中級編で58個(参加29回分)のスタンプ押印が必要になります。ということは、初級編の抽選をかいくぐって2回参加した後、中級編を毎月参加しても2年5ヶ月を要します。最短でもおよそ3年がかり。
さてその「師範代」になるとどんな特典が待ち受けているのでしょうか。
午後・運転体験 キハ0形気動車編
午後の運転体験も、まずは会議室で資料を使って操作方法の説明を受けます。午後もやはり、習うよりも慣れろ、で車両を使っての実地に移ります。
こちらは午後の運転体験の車両、キハ0形気動車(2両編成)です。
キハ0形は関東鉄道で1982年から運用を行っている車両で、国鉄キハ20形気動車の機器を流用して新潟鉄工所で製造されました。本日の運転体験で使用する車両としては「古い方」になります。
おやっ?午前中とヘッドマークがちが・・
そうです!「師範代」になると、お祝いヘッドマーク付きでの運行になるのです!
この日、山口さんという師範代になられた方が初級編に招待され参加していらっしゃいました。それで師範代のお名前「山口号」になっています。このヘッドマークは最後に記念品として贈呈されるとのことです。
さて話は戻って、実習です。
まずは停車状態で、空気式ブレーキ装置の作動実習を行います。午前中の電気式ブレーキと違い、ブレーキをかけるにしても緩めるにしても、反応が若干遅れてくるのが特徴です。
私が過去に経験した運転体験はEF63とDD130といずれも空気式ブレーキだったので、こちらの方がなじみがあります。機械の反応の癖と手元のやや重い操作感覚が鉄道車両を運転しているんだという実感を強く感じられるので好きです。
午前のキハ2400形気動車での電気指令式ブレーキ、午後のキハ0形気動車での空気式ブレーキ、この両方の違いを1日電体験できるのがこの運転体験の特徴の1つです。
ということで、午後も午前と同じ方法で、車掌体験と運転体験を行いました。
運転体験を実施している間、受講者全員が車両の中で待機している状態になりますが、その待ち時間を利用して、車内清算業務の体験をさせてくれます。
好きな駅から好きな駅まで、パンチを入れていきます。(いただいた券は記念品で、実際に使うことはできません)
軌道線を行ったり来たり、急に止まったり再発進したり、そもそも電車好きは電車の中にいられれば飽きなんて来ないし、写真の通りの熱心さで、楽しい時間はあっという間に過ぎていきます。
15時50分、午前・午後の運転体験が終わり、会議室に戻って終了点呼を行って解散です。写真は死後に記念にいただいた名前入りの関東鉄道オリジナルキーホルダーです。
関東鉄道 気動車運転体験をおえて
運転体験そのものは合計でも1往復分とやや物足りなさと感じるものの、車掌体験が出来たり、1日に2車種の運転、編成も1両編成・2両編成と、バラエティー豊かな体験ができたことで楽しく過ごすことが出来ました。
電車の運転士というのは憧れの職業であって、ちょっと申し込んで、ちょっと参加しただけの者に、ぽんぽん運転させてくれるこのテンポの良さは何だろうと不思議に思うのと、気前の良さにほんともう感激する。
関東鉄道、すごい。
2017年は是非、2回目の初級編を体験して、中級編に移行したいと思いました。
関東鉄道気動車運転体験・初級編のレポートは以上です。