[宇都宮LRT] 宇都宮市長選の争点となった宇都宮ライトレールとは何か。
11月20日、任期満了に伴う宇都宮市長選の投開票が行われ、現職の佐藤栄一氏(55才、自民公明推薦、無所属)の4回目の当選が決まりました。
この市長選では、すでに導入が決定している「宇都宮LRT(ライトレール)」の是非を巡り、推進派で現職候補の佐藤栄一氏と、反対派の金子達氏が争った選挙です。
選挙の争点となったLRTって何?
次世代の都市型交通システムとして世界中の都市で導入される事例が増えている「LRT」
LRTとは、(Light Rail Transit、ライトレールトランジット)の略で、専用軌道および道路上の併用軌道を1両ないし数両編成の鉄道のこと。車輌には低床式車両(LRV)を採用し、停留所も簡素にすることで、一般の鉄道や地下鉄よりもコンパクトに、しかし路線バスよりも大きな輸送力を持つ、双方の長所を取り入れた交通システムです。簡潔に言えば、新しいタイプの路面電車です。
世界のLRT事情はというと、北米では、アメリカ・サンフランシスコ市営鉄道(1980年~)、ロサンゼルス郡都市圏交通局(1990年~)、サンタクララバレー交通局(1987年~)、カナダ・エドモントンLRT(1978年~)など、ヨーロッパ圏では、ドイツ・フランクフルト(1968年~)、ハノーファー(1976年~)、オランダ、イギリス、ベルギー、ポルトガル、ギリシャなど。アジア圏では、フィリピン・マニラ(1984年~)、香港(1988年~)、台湾では高雄LRTが一部開業しており、蓄電池を搭載した架線レスのLRTとして注目されている。
日本において、「LRT」の分類に当てはまるものとしては、江ノ島電鉄、東急世田谷線、広島電鉄宮島線、京福電気鉄道(嵐電)、阪堺電気軌道、筑豊電気鉄道の6事業者が該当する。富山ライトレールは、「トラムトレイン」(一般の鉄道路線で高規格路面電車を運用するケース)に該当する。
宇都宮LRTとは何か
宇都宮のLRTは、宇都宮市街地中心部西側の桜通り十文字交差点付近からJR宇都宮駅、宇都宮テクノポリスを経由して、芳賀町の高根沢工業団地までの全長約18㎞を整備する計画で、このうちJR宇都宮駅東口から高根沢工業団地までの約15㎞を優先整備区間としている。総工費は458億円で、2019年12月の開業を計画している。
優先整備区間には19か所の停留所を設け、所要時間約41分で結ぶ。午前6時から午後11時台まで、ピーク時は6分間隔で運行を行い、1時間当たり10本を運行する。運賃は対距離制で150円~400円。
| 名称 | 宇都宮ライトレール |
| 設立 | 2015年11月6日 |
| 本店所在地 | 栃木県宇都宮市中央1丁目1番1号 宇都宮アクシスビル406号室 |
| 路線距離(営業キロ) | 全長14.6km |
| 軌間 | 1067mm |
| 電圧 | 直流750V |
| 最高速度 | 40km/h(開業時計画) |
| 駅数 | 19 |
| 運賃 | 150~400円程度 |
| 開業時期 | 2019年12月(計画) |
宇都宮LRT 路線図
| 駅名 | 市町 | 接続路線 |
|---|---|---|
| JR宇都宮駅東口 | 宇都宮市 | JR東北新幹線・東北本線(宇都宮線)・烏山線・日光線 |
| 宿郷町 | 宇都宮市 | |
| 東宿郷 | 宇都宮市 | |
| 今泉町 | 宇都宮市 | |
| 陽東 | 宇都宮市 | |
| ベルモール前 | 宇都宮市 | |
| 平出町 | 宇都宮市 | |
| 下平出 | 宇都宮市 | |
| 下竹下 | 宇都宮市 | |
| 作新学院北 | 宇都宮市 | |
| 清原管理センター前 | 宇都宮市 | |
| 清原工業団地北 | 宇都宮市 | |
| テクノポリス西 | 宇都宮市 | |
| テクノポリス中央 | 宇都宮市 | |
| テクノポリス東 | 宇都宮市 | |
| 芳賀台 | 芳賀町 | |
| 管理センター前 | 芳賀町 | |
| かしの森公園 | 芳賀町 | |
| 本田技研北門 | 芳賀町 |


