[藤沢 鮨] 鮨近藤のオシャレ空間で交錯する北海と江戸前
2017/06/16
藤沢の本鵠沼駅から歩いて数十秒という立地にある「鮨近藤」に行ってきました。
藤沢を初めとする湘南エリアは、海のイメージとは裏腹に、それ程寿司屋の名店がひしめている状況ではありません。
だけど良い店はちゃんとあるし、都内よりリーズナブルにいただけたりするので開拓しがいがあります。
鮨近藤は北海道出身の熊似の大将が握る人気店。
ネタは北海道から朝直送する天然物と、湘南の地物を併せて使用。
明るく清潔感のある店内。デザイン性の高いオシャレな内装です。
今回は会食だったため、個室を利用しました。
細長い店内をカウンターに沿って抜けた最奥にあります。
会食や接待などでは、注文に気を取られずに済むおまかせコースが3種類用意されているのが便利。
種類の差は、構成は変わらず、内容のグレードの差だそうです。
まずは前菜。秋刀魚のたたき。大きなお皿に品よく盛られています。
刻んだ葱と茗荷が入っています。
食材が若干秋真っ盛りですが、訪問は10月中旬だったのです。
刺身。眩しい銀皿と赤の対比が美しい。
奥から平目 目一鯛 赤身 ぼたん海老
目一鯛(メイチダイ)は夏から秋にかけて美味しくなる真っ白な白身魚で、刺身に適した人気のある高級魚だそうです。実際平目より美味しいと感じたほど。
山葵と塩でどうぞと勧められる。
そこはやっぱ醤油でしょと思っていたが、塩が旨味をきりりと引き立て存外に美味しい。
特に牡丹海老のねっとりした美味しさにやられました。
赤身も只者ではない。
毛蟹。ほじるのが面倒な毛蟹の美味しいところだけがお膳立てされています。
ほのかに柑橘の香り。
ミソがいい塩梅に和えられ満遍なく美味い。
ここまで北海道もの中心でしたが、ここで東京湾の穴子白焼き。
曲げた赤煉瓦みたいな器が面白い。柚子胡椒で。
小骨一つ無く、繊細な白焼きの味を楽しむことに集中出来ました。
皮目の脂を柚子胡椒が爽やかに中和してくれる。
というかこの柚子胡椒めちゃ効きが良い。しばらく口の中が痺れ続けてました。
バフンウニ。美しい鮮やかなオレンジ。
可愛らしくまあるい形に握られたシャリにのっている。
塩と山葵がのっておりそのままいただく。
ちょっと特徴的な寿司酢。赤酢かな?
とろけるような上質のウニ。これが関東で味わえるとは。
ウニをひと口味わった後、思い切って一息に頬張ると、粒の立った米の一粒一粒がほろりと崩れる絶妙な握り具合。噛むとその粒の間をとろりとウニの旨味が流れ落ちてきて、至福。
これはこの後の握りも期待出来そう。
握り5貫。個室なのである程度まとめて運ばれてくる。
左から、中トロ、だるまいか、赤身、かすご(春子)昆布締め、金目鯛炙り
春子とは鯛の稚魚、子鯛のことだそうです。あっさりした白身だが小さいので下ごしらえが手間な一品。
握りはしっかり目。
海老と蟹からダシを取った味噌汁。
味付けは濃いめ。蟹汁かと思うほどしっかりと海鮮出汁が出ていて激ウマ。
握り第2弾。
北海道産ししゃも、コハダ、穴子
ししゃもの握りは初体験です。丁寧な仕事を見せつけるかのように小骨類は綺麗に掃除され、つるりとなまめかしい舌触りと繊細な味。
コハダは思い切りよく酢が効いている。
穴子は白焼きに続いての登場。強めに焼いたワイルドな仕上がり。
だし巻き玉子と白海老の卵焼き。
幾重にも巻いた手間のかかった卵焼き。
白海老の方は甘いんだけどどこまでも控えめで透明感のある甘さ。
これをデザート代わりに、余韻を残して締めました。
一目見て「あ、どさんこでしょ」と思わせるような豪快な風貌の大将からは想像出来ないほど寿司も味付けも繊細な仕上がりです。
お酒がすすみそうだけど、呑まなくても楽しめる。
開店直後からすぐにお客さんでいっぱいになり、帰る時間までずっとカウンターは埋まっていたので、予約は必須かと思われます。
季節ごとに何が入ってるか楽しみに顔を出したくなる店でした。
本日の注文:おまかせコース¥8,000(税別)