[橘花 エンジン] 日本初のターボジェットエンジン「ネ20」を見てきました。(2016年国際航空宇宙展)
太平洋戦争末期に開発され、日本で初めて実用化されたターボジェットエンジン「ネ20」が、2016年国際航空宇宙展のIHIブースで展示されていましたので見てきました。
「ネ20」は、戦時中にドイツの軸流式ターボジェットエンジン「BMW003」の図面をもとにして、国内で開発中だった同様のエンジンの開発技術を結集し、1945年6月に完成しました。
(BMW003の技術の完全コピー品ではない。図面や実物のエンジンは潜水艦による輸送中にもろとも撃沈されており、その供与技術の一部しか使用できなかった)
このエンジンは帝国海軍の攻撃機「橘花(きっか)」に搭載され、2機が完成したが、実戦には投入されることなく終戦を迎えました。
終戦後、機密保持のためにほとんどが破壊されましたが、一部はアメリカ軍により接収、アメリカ本土へ輸送されました。紆余曲折合って、アメリカのノースロップ大学が保有していた1基が日本に返還され、現在はIHI(旧 石川島播磨重工業)が保有しています。世界中で現存する「ネ20」はこの1基と、アメリカのスミソニアン博物館に展示されている1基の合計2基のみ。
話は戻って、10月12日~16日にかけて開催されている「2016年国際航空宇宙展」のIHIブースで、この日本初のターボジェットエンジン「ネ20」が展示されています。
大変貴重な歴史資料なので、たっぷりの写真をごらんください。
ネ20 日本初のターボジェットエンジン
全長:2,704㎜
直径:620㎜
重量:470㎏
回転数:11,000rpm
タービン運転限界時間:約10時間
推力:約472㎏
製作:空技廠、荏原製作所、ほか
完成:1945年(昭和20年)6月
攻撃機「橘花」初飛行日:1945年(昭和20年)8月7日
展示:2016年国際航空宇宙展 IHIブース